ここではOEMで生産依頼を受ける4つの主なデメリットを紹介します。
OEMは一気に生産量と売上を増やす可能性を秘めたビジネスモデルです。
しかしその取引相手は基本的に一般市場ではなく事業者になり、受託後は権利関係の縛りが生まれることもあります。
OEMを効果的に利用するために、これから紹介するOEM依頼を受ける注意点と対策方法をぜひご参考ください。
OEMとは?
OEMとは上記のようなビジネスモデルを示す言葉です。
OEMを活用すれば、製造者は商品の生産に、購入者は商品のPRに集中できます。
お互いの生産、もしくは販売にかかる工数や費用を減らして、効率よく商品を提供できるようになります。
OEMにデメリットはない?
OEMは幅広い業界で取り入れられているビジネスモデルです。
食品業界にも多くのOEMメーカー、OEM商品があり、生産委託先を求めている販売会社もたくさんあります。
なぜならOEMを活用することで、双方に多大なメリットがあるからです。
しかし、それでもOEMで生産依頼を受けたメーカーのすべてが成功しているわけではありません。
中にはOEM提供することで不利益を被るケースも、実際にあるのです。
OEMのデメリットを対策しよう
デメリットがあるから「OEMを止めたほうがいいのか?」というと、そうではありません。
むしろ今のうちにデメリットを把握して対策方法を考えておけば、OEMをもっと効率的に活用しやすくなるでしょう。
OEMは上手く活用できれば、売上アップだけにとどまらず生産や食品業界のノウハウを入手することにも繋がります。
それではまずは、下記よりOEMで生産依頼を受けるデメリットを解説していきます。
OEMを受けるメーカー(製造者)の主なデメリット【4選】
- 委託者の都合で生産量が決まる
- 自社ブランド商品が減る
- 自社ブランドが浸透しにくくなる
- 生産技術が流出する恐れがある
委託者の都合で生産量が決まる
OEM商品を購入して、市場へ売り出す数を考えるのは委託者です。
そのためメーカーでは生産数を決められず、生産の負担や売上のコントロールが難しくなることがあります。
例えばメーカーの調子が良くても、委託者の販売戦略や予算によって急に発注数を落とされるかもしれません。
また、逆に忙しくて手が回らないとき、急に生産数を増やしてほしいと要望が届くことも考えられるでしょう。
自社ブランド商品が減る
OEM商品は委託者側のブランド商品になるため、基本的に自社のブランド名では売り出せません。
契約によっては似たような商品も出せなくなるため、手に入れた技術を自社ブランド商品に使えなくなることがあります。
また、OEM商品を生産するのに工場のリソースを使う分、自社ブランド商品の生産リソースは減ってしまいます。
自社ブランドが浸透しにくくなる
OEM商品は委託者のブランドで市場に出回ります。
基本的に市場の売り場では商品名、もしくはブランド名が大きくアピールされ、メーカー名はあまり目立ちません。
商品の表示ラベルにはメーカー名が記載されますが、表示ラベルを確認する一般消費者は少ないでしょう。
そのため多くの一般消費者にはメーカー名が印象に残らず、委託者のブランドのみ知れ渡るケースが多いです。
生産技術が流出する恐れがある
OEMの取引内容を委託者と擦り合わせている中で、生産工程や設備などを共有することもあるかもしれません。
その情報の中に重要なノウハウがあった場合、生産を真似されて取引先が競合に変わってしまう恐れがあります。
今まで培った技術が漏洩してしまい、似た商品が売り場に並んで自社がつくった商品を売りにくくなることも考えられます。
OEMのデメリットの対策方法【3選】
- リソースをチェックしておく
- 契約内容をチェックしておく
- 特定のOEM先に依存しない
リソースをチェックしておく
OEMメーカーは自分達で生産数を臨機応変に変えられません。
想定できるトラブルも加味して生産が間に合う依頼内容なのか、他の業務に支障が出ないかを確認しておきましょう。
また、定期的に受注していく依頼となる場合は継続して生産できる内容なのか、先のことも考えておかなければなりません。
契約内容をチェックしておく
OEM生産を受注する前には、自分たちの今後の戦略も一緒に考えておくことが大切です。
戦略次第では、委託者とこれからどういう関係を構築するべきかも変わってくるでしょう。
どこの誰と関わる依頼なのか、今後の禁止事項はないかなど、契約内容をよく読んで自分達の方向性に合う依頼を受けましょう。
特定のOEM先に依存しない
1つの取引先のみに頼ってしまうと、その委託者の発注次第で売上が大きく変動してしまいます。
そのような関係性では委託者が立場的優位になりやすく、メーカー存続のためには厳しい発注内容も受けざるを得ない状況になってしまうかもしれません。
複数の取引先候補やOEM以外の収益の用意があると、依頼に対する受託の判断を余裕を持って決められるでしょう。
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自分達の生産状況や予定に合わせて、無理のない範囲で取引の受託を決められます。
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