マドレーヌとは?材料と味の特徴、名前の由来や発祥も紹介

本ページでは「マドレーヌがどのようなお菓子なのか」をご紹介します。

焼き菓子の中でも知名度が高いマドレーヌ。しかし、何をどのように作れば「マドレーヌ」というお菓子になるのか、はっきりとした定義を知らない人も多いのではないでしょうか。

ここでは味・形・作り方から生まれた由来など、マドレーヌについて幅広く解説させていただきます。

目次

マドレーヌとは

マドレーヌは卵とバターをたっぷり使ったシンプルでクセの少ないお菓子です。

焼き菓子の中でも特に名が知られており、お子さまから年配の方まで幅広い世代に愛されています。

マドレーヌの味

マドレーヌは、卵の風味とバターの香り、そしてやさしい甘さが特徴の焼き菓子です。

焼き上がりの状態では、バターの香りが濃厚になり、甘味も増して一層美味しくなります。

マドレーヌの食感

マドレーヌは、ベーキングパウダーが生地に空気を抱き込むことでふんわりとした食感に。

たっぷりの溶かしバターを使っているため、外側はサクッと、中はしっとりとした食感を楽しめます。

マドレーヌの型

  • ホタテ貝型
  • 菊型

今ではさまざまな形のマドレーヌがありますが、主な形としてはこの2種類を見かけることが多いでしょう。

・ホタテ貝型

伝統的なマドレーヌの形状です。細長い形、ぽってりと丸っこい形があります。

・菊型

日本でマドレーヌが作られ始めた頃は、貝型ではなく丸型の縁にギザギザを付ける菊型でつくられていました。これは「パン・ド・ジェンヌ」というフランスのお菓子がマドレーヌと混同して日本に伝わったためだと言われています。

マドレーヌの作り方

マドレーヌの材料

基本的な材料
  • 全卵
  • バター
  • 砂糖
  • 小麦粉
  • ベーキングパウダー

上記はマドレーヌの基本的な材料です。

砂糖はグラニュー糖やはちみつに置き換えられることもあります。

レシピをネットで調べてみると、バニラやレモンなどの柑橘系を加えるものも多いです。

マドレーヌの基本的な作り方

STEP
準備
  1. バターを溶かしバターにして冷ましておきます。
STEP
生地を作る
  1. 全卵に砂糖を入れて混ぜます。
  2. 薄力粉とベーキングパウダーも入れて混ぜます。
  3. 溶かしバターも入れて混ぜます。
  4. 生地を冷蔵庫で寝かせます。
STEP
生地を焼く
  1. 出来上がった生地を型に入れてオーブンで焼きます。

上記は、マドレーヌにおいてよく紹介されている作り方を簡単にまとめたものです。材料・手順・フレーバーや形など、レシピ次第で異なる作り方もさまざまあり、マドレーヌには多様なアレンジ方法があります。

マドレーヌの歴史

マドレーヌの語源

「マドレーヌ」は、もともとフランス人の女性の名前にも付けられている名称です。

マドレーヌの発祥・由来

マドレーヌの発祥には諸説ありますが、いずれもマドレーヌという名の女性にちなんでいるものが多く語られています。

また、フランスの中でもコメルシーという地域を発祥とする説が多く、マドレーヌはコメルシーの町の銘菓としても知られています。

多く語られている説

1755年、フランスのロレーヌ地方にあるコメルシーにて、ロレーヌ公スタニスラス・レクチンスキーが催したパーティーでの話。

パーティーの準備を行っている最中に、パティシエが喧嘩をして館を出て行ってしまいました。

困り果てた厨房に「若いメイドのマドレーヌ」が救いの手を差し伸べます。
マドレーヌはあり合わせの材料とホタテの貝殻を使い、祖母から教わったことのある焼き菓子を作りました。

そのお菓子を口にしたロレーヌ公はたいへん気に入り、称賛を込めてそのお菓子をメイドと同じ名前である「マドレーヌ」と呼ぶことにしたそうです。

形の理由と共に語られている説

フランスでは古くからキリスト教が信仰されており、ホタテ貝はキリスト教において巡礼のシンボルでした。

ロレーヌにいた「料理人のマドレーヌ」は巡礼者を労うために、ホタテ貝の形を模したお菓子を焼いたとのこと。

キリスト教の三大巡礼地「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」にて、巡礼者たちはホタテ貝の殻を携帯用の食器として持ち歩く習慣もあったそうです。

その他の説

  • タレイラン公で働く腕利きの料理人「アヴィス」が、貝の形をしたゼリー用の型でフランス風のパウンドケーキを焼き、そのお菓子に愛人のマドレーヌの名を付けた(ピエール・ラカン氏の著書『パティスリー・覚え書き』より)
  • コメルシーの料理人「マドレーヌ・ポールミエ」が作ってブレイ家に伝えたところ、美味しいお菓子として強く売り出した(書籍「The International Confectioner」より)
  • 長い間秘密にされていたお菓子が、ある時にロレーヌ地方のコメルシーで高値で売られており、買った人達が自分達の町の名物にした
  • 早朝の静かな宮廷前に、焼きたてのお菓子を売りに来る美しい乙女の名がマドレーヌだった
  • ルイ15世の義父である元ポーランド王スタニスラス・レクチンスキー付の女性料理人が考案した

参考文献:西洋菓子 世界のあゆみ|吉田菊次郎

マドレーヌを贈る意味

マドレーヌはホワイトデーのお返しとしても人気のお菓子です。

マドレーヌを贈る意味は「あなたともっと仲良くなりたい」

彼女や奥様には”これからも円満な関係を築きたい”という気持ちを示すことができます。
片思いの相手に贈るお菓子として選んでもいいでしょう。

また、恋愛対象や異性に限らず、家族や友人、同僚などに向けても”末永い良好な関係”を願って贈られることもあります。

熱烈な想いを伝えるというよりは、日ごろの感謝や仲良くなりたいという気持ちを、本命・義理を問わず幅広い相手に伝えられるお菓子です。

贈る意味の由来

この意味の由来はマドレーヌの形。日本では、2枚重なった貝の形は縁結びや円満な関係を象徴する縁起物と考えられていました。そのため、2枚貝をモチーフにしたマドレーヌには「仲良くなりたい」という気持ちが込められるようになったと言われています。

マドレーヌの製造ライン例

STEP
天板供給

マドレーヌ用の型天板をラインに供給します。

STEP
油塗布

型天板に油を塗布します。

STEP
生地絞り

マドレーヌの生地を型に絞ります。

STEP
焼成

マドレーヌの生地をオーブンで焼き上げます。

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