食品業界における缶のメリット・デメリット!缶の歴史や種類も紹介【容器包装】

ここでは、容器包装における缶の用途とその歴史、メリットとデメリットについて簡単に解説します。

目次

缶の用途

缶は液体、粉末、気体などの多様な内容物を安全に保管・運搬するのに用いられます。

大型の缶は、業務用調味料、穀物などを大量かつ効率的に保管。一方で小型の缶は手軽に持ち運べることから飲料や各種の缶詰食品に使用されることが一般的です。

缶は食品以外の用途にも広く利用されており、例えばスプレー缶はご家庭でも日用品として多く見かけることがあるでしょう。優れた密閉性を持つ缶は、さらに石油製品などの燃料や化学薬品などの保管・運搬にも活用されます。

缶の種類

スチール缶をつくるメーカーが集まった業界団体「全日本一般缶工業団体連合会」では、缶の種類を下記のように分類して紹介しています。

一般缶食品缶海苔・お茶・紅茶・昆布茶・コーヒー・ココア・せんべい・おかき・クッ キー・チョコレート・飴・水ようかん・調味料・食用油など
化学・薬品缶インキ・オイル・ワックス・ペンキ・溶剤・芳香剤・靴墨・化粧品・医薬 品・エアゾールなど
生活雑貨缶筆箱・スライドケース・貯金箱・灰皿・吸い殻入れ・ゴミ箱・テニスボール入れ・タイムカプセル・ガーデニング・バッチ・キャラクター・ノベルティー・イベントなど
防災・備蓄缶パン・乾パン・ビスケット・クラッカー・雑炊・即席めん・簡易トイレ・防 煙マスク・ロウソク・ガスボンベなど
一般缶以外のスチール缶飲料缶・缶詰専用缶計画的に同じ仕様で大量に生産される缶詰缶
一斗缶・ドラム缶・ペール缶大容量で18リットルから400 リットルまで入れることのできる缶
引用:全日本一般缶工業団体連合会 – 一般缶とは|全日本一般缶工業団体連合会

缶の発祥・歴史

1795年、フランスの宰相ナポレオン・ボナパルトは、軍用食品の長期保存技術を確立するために、12,000フランの懸賞金をかけてコンテストを開催。この背景には、遠征中の兵士たちの士気を維持するため、安全かつ持ち運びやすい食料の供給を確保するという目的がありました。

その結果、1804年にニコラ・アペールという人物がガラス瓶とコルク栓で食品を密封・殺菌する方法(コルクで緩く栓をして湯煎で加熱する)を発明。この画期的な技術は、食品の保存期間を大幅に延ばすことに成功し、当時の軍事遠征において非常に重要な進展となります。

さらに、1810年にはピーター・デュランドというイギリス人が、割れやすいガラス瓶に代わる新たな容器としてブリキ缶を考案し、特許を取得しました。缶は『耐久性』『密閉性』『遮光性』が高く、ガラスよりも軽量かつ生産や運搬が容易なため経済的な利点もあります。

このように、ニコラ・アペールの加熱殺菌技術とピーター・デュランドのブリキ缶の発明によって、食品包装の歴史は劇的に変化しました。現代においても一般家庭で缶飲料や缶詰食品が普及しており、缶は重要な食品保存の方法として頻繁に活用されています。

缶で保管するメリット

缶のメリットは『耐久性』『密閉性』『遮光性』が高いことです。これにより酸素、水分、微生物などの外部の要因から内容物を完全に遮断して、内部の品質を長期間にわたり維持できます。

密封後に加熱殺菌、そして缶の内部にエポキシ樹脂などのコーティングをして缶と内容物との直接的な接触を防げば、内容物が劣化するリスクをさらに減らせます。

缶で保管するデメリット

缶は内容物を外部から視認できないため、特に商品の状態や鮮度を確認したい場合には不便です。

また缶は金属であるため湿気に弱く、長期間にわたって外部に保管すると錆びるリスクがあります。錆が発生すると内容物に影響を与える可能性があるため、保存環境には十分な注意が必要です。

食品や保存環境に適した容器を選びましょう

上記のような懸念から清涼飲料の分野ではペットボトルへの移行が進んでおり、燃料や調味料、その他の食品ではポリタンクやパウチが広く使用されていますが、それでも『耐久性』『密閉性』『遮光性』の高さから長期の保存が必要となる際にはまだ缶の出番は多いです。食品の安全性を保つには容器包装はとても重要なので、いろいろな方法を検討してみましょう。

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